「パリ20区、僕たちのクラス」

笑って、怒って、ぶつかって生きる。教師フランソワと24人の生徒達。
信じられないような子供のすばらしさに、世界は驚嘆した。
2010年6月12日(土) 岩波ホールにてロードショー
introduction

21年ぶりにフランス映画に栄誉をもたらしたのは、
演技経験の無い24人の子供たち

 それは、映画史上、最も胸躍る事件の一つだった。第61回カンヌ国際映画祭で、誰一人演技経験のない24人の子供たちと教師役の大人たちが出演した映画『パリ20区、僕たちのクラス』が、パルムドールを受賞したのだ。誰もが、たちまちこの作品に魅了された。ドキュメンタリーとしか思えないほどの自然な演技に驚嘆し、先の読めないストーリー展開に胸を躍らせる。さらに、いつの間にか子供たちの誰かに中学生時代の自分を重ね合わせ、感情移入せずにはいられなくなるのだ。  審査委員長を務めた、希代の名優で監督としても高く評価されているショーン・ペンからは、「演技、脚本、すべてが魔法だ」という破格の賛辞が贈られた。フランス映画がパルムドールを獲得するのが実に21年ぶりであることも重なって、様々なメディアが「奇跡の映画だ」と熱く書きたてた。そして遂に、カンヌの熱狂が海を超えて、日本へやって来る。

社会で生きる力である“言葉”を学ぶ多感な生徒と、
迷える教師の“教室の真実”

 舞台は、パリ20区にある中学校の教室。主な登場人物は、出身国も生い立ちも、将来の夢もバラバラな24人の生徒たちと、フランソワという名の一人の教師。カメラが追いかけるのは、1年間の国語の授業だ。移民であるため母国語を別にもつ生徒たちはもちろん、すべての10代の子供たちにとって、国語とは生きるための言葉を学ぶこと。それは、他人とのコミュニケーションを学び、社会で生き抜く手段を身につけることでもあるのだ。言葉の力を教えたいフランソワにとって、生徒たちとの何気ない対話の一つ一つが授業であり、真剣勝負だ。彼は生徒たちを人として対等に扱おうとするあまり、彼らの未成熟さに苛立ちを抱いてしまう。生徒たちは、あまりにも率直なフランソワの言葉に、時には傷つき、反発し、時には勇気づけられる。弾けるような笑いと抑えられない怒りが、分刻みに交錯する多感な24人の生徒達と、教師とは何かを模索し続けるフランソワは、この1年間でいったい何を学ぶのか──?

フランスが誇る俊英ローラン・カンテ監督が贈る、
教室という世界の縮図で、希望を見出す感動作

 フランソワを演じるのは、本作の原作となった「教室へ」の著者であるフランソワ・ベゴドー。元教師で、自身の体験を基に、中学校での1年間を綴ったその小説は、“本当の教室が赤裸々に描かれている”と話題を集め、センセーションを巻き起こした。子供たちを演じるのは、パリ20区のフランソワーズ・ドルト中学校の生徒たち。  監督は、『ヒューマンリソース』『タイム・アウト』のローラン・カンテ。本作で一気に時の人となったが、着実に実力を積んできた俊才だ。カンテ監督が子供たちから自然な演技を引き出した秘密は、撮影前のワークショップにある。中学校で希望者を募って週1回、約7ヶ月間、彼ら一人一人の個性を把握し、能力を探り続けた。そして、最後まで通い続けた生徒たちの中から、この24人を選んだのだ。  子供たちの設定は、すべてフィクションである。彼ら自身の性格を少し取り入れたキャラクターもあるが、ほとんどが自分とは全く違う生徒を演じている。監督を始めスタッフ、キャストの大人たちは、彼らの潜在能力に感動した。  様々な人種の子供たちが、ぶつかりながら生きている教室──これこそが、現代社会の縮図だ。希望も絶望も同じくらい存在するこの世界で、それでも何かを学び取り、成長を成し遂げる子供たちの姿に、私たちは未来の希望を見出さずにはいられない。

監督:ローラン・カンテ/製作:キャロル・スコッタ、キャロリーヌ・ベンジョ、バルバラ・ルテリエ、シモン・アルナル/原作:フランソワ・ベゴドー「教室へ」(早川書房刊)/脚本:ローラン・カンテ、フランソワ・ベゴドー、ロバン・カンピヨ/撮影:ピエール・ミロン/編集:ロバン・カンピヨ/2008年/フランス映画/上映時間:2時間8分/原題:Entre les murs
配給:東京テアトル提供:東京テアトル/ツイン朝日新聞社/ 後援:フランス大使館 協力:ユニフランス日仏学院
(c) Haut et Court - France 2 Cinema
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